ナンナさんのリノベーション事件簿

中古マンションフルリノベーション、リアルタイム実況

旦那氏の意識改革

一緒に住み始めた当初より、「家を買いたい」「家賃は払い捨てでもったいない」とことあるごとに言い続けてきたのは旦那氏の方であった。

 

がしかし、いざ具体的に動くとなると特段の興味や指向性を示さず、「中古リノベーションがいいんじゃないかな」と以前録画していた番組を観てもらえば「お〜いいね」と言い、「一応新築マンションも見ておいた方がいいんじゃないかな」と情報を検索して差し出せば「じゃあ行こっか」という感じだった。(旦那氏の名誉のために言っておくと、電話が苦手な我の代わりに予約取ってくれたのは旦那氏である)

余談ではあるが、このとき二人で行った新築マンションの見学があまりにも酷かったため、新築マンションのセンは完全に消えることとなった。部下を追い込む上司にも責任があると思うが、とにかく酷すぎた。

 

まぁわたしの方が時間の自由も利くし、何より家とか物件とか大好きなので、じゃあわたしが動いていいところ探すから、みつかったら確認してもらう形にしよっか、と言うと「それでいいよ〜」とのことなので、家さがしはそんな感じでスタートした。

 

いや、きみのお金やぞ。

 

とメッチャ思ったが、旦那氏が良いならそれでいい。

自分は普段から己のこだわりの強さを旦那氏に容認してもらっているので、逆の旦那氏のこだわりの無さも認めるのが筋だと考えたためである。

 

こだわりの強い側が探す作業を請け負うのは理にかなってるじゃんね?とも思っていた。

ちなみに当時、旦那氏が実家に帰った際にご両親にこの話をしたところ「じゃあナンナちゃんに任せておけば大丈夫よ!」との熱いご支持をいただいたらしいが、いつのまにそんな信頼を得ていたのか……(喜びと責任濃度の華麗なる上昇)

 

そんなわけで、わたしは一人でマンション購入やリノベーションのセミナーに出かけ、一人で不動産屋を巡り、隙を見てはワンダーランドこと図書館や本屋さんへ通って情報を仕入れたりイメージを膨らませ、ネットで失敗例成功例や様々な口コミを検索する日々を送った。

 

いただいた名刺は二桁をかるく超え、ネット検索は一日数時間×数ヶ月、読んだ本は特集雑誌なども含めると500冊くらいである。

500冊って多い気がするかもしれぬが図書館の上限10冊を10回やれば100冊なので、それ×5と思えば実際の感覚としてはそこまででもない。

 

そんな感じで頭をパンパンにしながらも、「これぞ!」という物件には巡り会えなかった。

 

リノベーション会社も初回セミナーに参加しつつ探していたが、良いなと思うと住みたい地域が対応外なこともよくあり、手を出したり引っ込めたりしていた。

 

現在お世話になってるゼロリノベさんセミナーに申し込んだのはこのタイミングである。

気になってはいたが、予定の合う日が満席ばかり。人気が窺い知れると思いつつ、行けなきゃ判断しようもないと思っていた初回セミナーにようやく空席を確保できそうだったからである。

 

が。

 

一点、これまでのセミナーとは大きく異なる文言があった。

 

『ご夫婦はお二人でご参加ください』

 

……。

 

これはもう旦那氏にも出陣願うしかない。

「えー……うーん」

だいぶ面倒くさいと思ってるときの顔だ。

 

誰よりも当事者のはずだがな?

 

と思ったが、とりあえず「参加条件なんだよ」とだけ言って押し切った。

きみのお金の使い途やぞ?

自分の人生をかけた額の借金を背負うんやぞ?

さすがに、こちらの100分の一も自分事として捉えていない様子が心配になってきていた。そんな装備で大丈夫か?

 

大丈夫になった。

 

ゼロリノベさんのセミナーの効果は偉大であった。

マジでこれは全力で讃えます。

 

セミナー後、完全に旦那氏の意識が変わった。

 

実際、いくつか伺ったセミナーの中でどこよりも地に足がついている感があった。

 

そんなこんなでリノベーション会社さんが決定。

長かった……。

 

そしてここは物件探しから手伝ってくださる、自社で工務店も抱えている、ガチのワンストップサービスの会社であったため、不動産屋探しと工務店探しも完了。

 

具体的な物件探しでもこれまで対応してもらった不動産屋さんと違ってて驚いたことが多くて、それはまた書けるときに書きたい。

 

しかしてリノベーション。

 

わたしが着々と己の部屋のイメージを固めていく中で、旦那氏の自分の部屋への発言はいつも同じだった。

 

「壁は白くていいし、今の部屋より日当たりがよくて、クローゼットがあって、ずっと使ってる机のセットが入ればそれでいいよ」

 

野望・無。

 

いやもうそれが旦那氏の幸せならそれでもういい。

と思いつつ、やはりさみしい気持ちはあった。

こっちの盛り上がりが一切理解されないのは諦めてはいるが、心からたのしいと思ってることを味わう気配もないのはただただもったいないという気持ちも。

 

ところが。

 

二回目のリノベーション打ち合わせに向けて設計士さんとメールのやり取りを進める内、旦那氏からこんな言葉が出てきた。

 

「おれの部屋、ちょっと和風っぽくしてみようかなあ……」

「……!? いいと思うよ!」

「畳の上に洋風の机置いたりとか、和洋折衷な感じけっこう好きで」

「いいと!思うよ!!」

 

ようやく……ようやく!?

 

旦那氏にも住みたい家の姿が見えてきた!!

 

いやマジで、ゼロリノベさんには感謝しかない。

 

今夜は祝盃だァ!!

 

そして明日はいよいよ第二回の打ち合わせ。

 

楽しみだなぁ〜!!