手付金100万円を用意してから2週間が過ぎた
怖い。
自慢ではないが、ギリギリの生活を送ってきた。
これまでで最もお金の無さを実感した瞬間は、
「今月残り一週間で残金150円か……。まぁでもお米はあるし、150円あれば3パック入り78円の納豆が二つ買え……ない……?」
と膝をついた瞬間である。この時点で20代も後半。ちなみにその後、チャリで行ける範囲のスーパーを巡り無事59円の納豆とめぐり合い事なきを得た。ありがとう納豆。
そんな自分が、まさか数千万の持ち家に住むことになろうとは。
すべては旦那氏の力である。
旦那氏が長年一つの会社に毎日毎日勤務し続けてきた信頼が数千万円の評価を得た。
評価は金銭を借りる担保となり、中古マンションと等価交換され、我々は住処を得る。
35年ローン。
そんな、一見よく聞く当たり前の言葉は、現実となるとこれほどに重い。
我々は共に現在三十代。
35年後には、還暦などとっくに過ぎている。
けれど旦那氏はローンを組み、我が家なるものを手に入れるという。
なのでこれは、怖いというより、
すごい
というのが合ってるんだろう。
買ったマンションはそのまま住むのではなく、リノベーションをする。
つまり、数千万を払っておきながら、現物はまだこの世に存在しない。
すべてはこれからだ。
自由。
圧倒的自由……ッ‼︎
こわい。